研究成果報告
若年乳がん患者の妊孕性温存に関する心理支援セミナー
2017年1月29日に横浜情報文化センター・情文ホールにおいて本セミナーを開催致しました。当日は、関東近郊だけでなく、北海道、愛知県、三重県、大阪府、兵庫県、愛媛県、沖縄県など全国から参加があり、一般参加者113名、座長・演者・指定討論者14名、スタッフ11名、マスコミ(NHK)1名を加えて総参加者数は計139名にのぼりました。職種は看護師、心理士、医師、ソーシャルワーカー、遺伝カウンセラー、胚培養士など多岐にわたり、本領域に対する関心の高さがうかがえました。プログラムは4部構成となっており、第1部では産婦人科医から妊孕性温存に関する基礎知識とがん・生殖医療における地域ネットワーク、多施設連携について、第2部では乳腺外科医による乳がんの基礎知識および乳がん患者の妊孕性温存・妊娠・出産・育児について、第3部では心理士から妊孕性温存に関する心理支援について、それぞれ専門の先生方から講演いただきました。そして第4部では、がん・生殖医療の心理支援体制における現在の取り組みや今後の展望について講演いただき、非常に豊富な内容でありました。また、各部では指定討論者と演者によるディスカッションや参加者からの質疑応答があり、活発な討議が行われ、本セミナーを通じて、乳がん患者の妊孕性温存に関する最新の知識を深め、多職種の医療者がそれぞれ取り組むべき課題を見出し得た大変有意義なセミナーでありました。
0)ご挨拶 | 聖マリアンナ医科大学医学部産婦人科学教授 鈴木 直 |
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1)妊娠の仕組みと不妊治療、がん・生殖医療 | 東京大学産科婦人科助教 原田美由紀 |
2)がん・生殖医療における地域ネットワークと 多施設連携 | 岐阜大学大学院医学系研究科 医学部付属病院 産科婦人科学 周産期生殖医療センター 古井辰郎 |
3)乳がん治療における生殖医療 | 聖マリアンナ医科大学医学部 乳腺・内分泌外科学教授 津川浩一郎 |
4)乳がん治療と妊娠・出産・育児 | 埼玉県立がんセンター乳腺外科部長 松本広志 |
5)若年乳がん患者の妊孕性温存に対する心理支援 | 亀田メディカルセンター・亀田総合病院 がん・生殖医療専門心理士 奈良和子 |
6)夫婦心理教育プログラム O!PEACEによる介入研究 | 国立成育医療研究センター研究所研究員 小泉智恵 |
7)多職種連携による心理支援体制の展望 | 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科学教授 髙井 泰 |
8)若年乳がん患者のサバイバーシップ向上を志向した 妊孕性温存に関する心理支援体制の構築 | 聖マリアンナ医科大学医学部産婦人科学教授 鈴木 直 |