心理支援について
医師にたずねる
私たち生殖医療医は、妊よう性温存療法をお考えの
がん患者さんの相談をお受けしています。
がん・生殖医療に関わる医師は、がん治療医と生殖医療医に大別できると思います。
がん治療医の先生と連携しています。
私たちが行う妊よう性温存療法には受精卵凍結、卵子凍結、卵巣組織凍結などがあります。各々の治療法の具体的なやり方や、治療の適応、そして治療成績や費用について説明します。
もちろん、がんの治療の状況によっては妊よう性温存療法を行えない場合もありますので、がん治療医の先生とは緊密に連携をとって方針を一緒に考えていきます。そして、がん・生殖医療の最も大きな特性として、生命の危機と生殖の危機を同時迎えるという大きな心理面での負荷がかかった中で診療、治療方針の意思決定をしていかなくてはなりません。そのために私たち生殖医療医は患者さんとそのご家族に適切なタイミングで情報提供を行います。治療方法や治療成績、そして、費用など治療に関わる様々な相談についてお尋ねください。
よく患者さんからいただく質問
1)私ができる妊よう性温存療法にはどのようなものがありますか?
2)費用はどれくらいするのでしょうか?
3)妊よう性温存療法はがんに悪影響を与えないのですか?
看護師にたずねる
がんと診断され、「妊よう性温存を行いますか?」と医師から告げられた時に多くの方は戸惑われるのではないでしょうか?
がん治療が始まる前の時間の制約がある中で妊よう性温存の治療を受けるかどうかを選択する事は容易な事ではありません。
不妊治療を以前行った事がある方はどのような治療を行うのかイメージができるかもしれませんが、大多数の方は『よくわかない…』という方が多いと思います。
看護師は患者さんの『よくわからない』の声にお答えいたします。
医師の説明がわからなかったり、こんな事を聞いてもいいのかしら・・・・と躊躇される方もいらっしゃるかもしれません。
治療の内容がわからない、スケジュールがわからない、どのくらい通院する必要があるか教えて欲しい、説明された言葉がわからない、パートナーや家族と意見が合わない、情報の整理ができずに混乱しているなど何でも構いません。
心配な事や不安な事は遠慮なく看護師にご相談していただきたいと思います。相談の内容によっては専門家の医師や臨床心理士、ソーシャルワーカーに橋渡しする場合もあるかもしれません。
看護師は患者さんの一番身近にいるサポーターです。
常に患者さんに寄り添い、支える存在でありたいと考えています。
患者さんやご家族が納得した治療の選択が行えるようにサポートいたしますので、気楽に看護師へお声をかけてください。
心理士にたずねる
患者さんの中には、妊よう性温存について説明してもらったけれど何をどう考えていいのかわからないという方がいらっしゃいます。これは、がんと知ってショックを受け、落ち着いて何かを考えることが難しくなっているためです。
気がかりなことは何でしょうか?
気がかりなことは何でしょうか?子供のことなど、どのように考えてきましたか?心理士は、その方が自身の問題について考えていくためのお手伝いをします。「がんのことが心配で将来のことまで考えられなくなっていた」、「不安でいっぱいだけど、誰にも相談できなかった」、「子供を産み育て、あたたかな家庭を作りたいと思っていた」などいろいろな悩みがあります。しかし、人に話をすると気持ちが落ち着き、一緒に情報を整理していくことができます。
ちょっとした整理が役にたちます。
いろいろなことがちょっとでも整理できると、不安はあるけれども可能性があるならばやってみたいと思う気持ちが生まれてきます。そして、自分たちはどうしたいか、気持ちや考えがはっきりしてきます。悩んでいたら、ぜひお尋ねください。
ソーシャルワーカーにたずねる
主治医に妊よう性についてどう切り出したら良いの?
「がん治療の影響で妊娠・出産ができなくなってしまうのだろうか」「妊娠・出産の可能性が残せる治療法にして欲しい」という心配や想いを主治医に伝えることに難しさを感じる人は少なくありません。ソーシャルワーカーに相談し、誰から、どのようなタイミングで、どのような伝え方をしたら良いかを整理しましょう。
費用はいくらくらいかかるの?
「がんの治療で仕事はできないし、治療費は高そうだし、妊よう性温存の費用まで支払えるかしら」という心配に対して、個々の生活を踏まえて、医療費の概算や経済的負担を軽減する制度の有無、活用方法などの情報をお伝えします。
自分とパートナーとの意見が分かれた時にはどうしたら良いの?
大切な問題だからこそ、夫婦間で納得・合意した上で方針を決めたいですね。患者さんの中には、罹患したことに責任を感じて、自分の思いを率直に伝えられない方もいます。ソーシャルワーカーが、大切な決断に夫婦で取り組めるお手伝いをします。
家族や親族にはどこまでどんな風に伝える必要があるだろう?
パートナー以外の家族や、心配してくれる親族に何をどこまで話をしたら良いか迷うこともあるでしょう。誰にどこまで伝えたいか、どの専門家に協力してもらうと助けるになるか等を一緒に考え、整理しましょう。