精神的な問題とそのケア
精神的な問題とそのケア
がん患者さんにとって、がんの治療によってもたらされる妊孕性への影響は大きな心配事のひとつであり、人によっては「がんになったこと」と同程度のつらさを感じることもあると言われています。子どもをつくれないこと自体による悩みを抱えるだけではなく、そのことによって、恋愛や結婚を含めた将来に対する不安が生じることが報告されており、妊孕性の問題は長期に渡って患者さんの気持ちに影響を及ぼします。また、治療時に妊孕性に影響が生じる可能性について十分な説明を受けなかったために、後になって怒りや落胆を感じる場合もあると言われています。
性に関わる悩みは、人に相談しづらいとお感じになる方も多いですが、患者さんと家族において重要な心配事の一つですので、まずは主治医にご相談ください。子どもをつくりたいというお気持ちを先生に伝え、ご自身の現在の状況を正確に理解することが重要です。主治医に相談した上で、がんと妊娠のことを専門にしている医療施設にセカンドオピニオンを求めることもいいかもしれません。また医学的に解決することが難しく、その問題とどのように向き合っていくかということで悩まれている場合には、精神腫瘍科をはじめとする「がん患者さんの精神心理的な問題」についてサポートできる場所にご相談ください。
(参考)
■妊孕性について学ぶ
・妊よう性
(https://ganjoho.jp/public/dia_tre/diagnosis/fertility/index.html)
■自分の希望を主治医の先生に伝える
・医療者との対話のヒント
(http://ganjoho.jp/public/support/moshimogan/moshimogan02.html)
■がんと妊娠のことについてセカンドオピニオンを求める
・地域医療連携の紹介
(http://www.j-sfp.org/cooperation/index.html)
・がん診療連携拠点病院などを探す
(https://hospdb.ganjoho.jp/kyotendb.nsf/xpKyotenSearchTop.xsp)
・セカンドオピニオンを活用する
(http://ganjoho.jp/hikkei/chapter2-1/02-01-07.html)
■問題との向き合い方について心のケアの専門家に相談する
・専門家による心のケア
(http://ganjoho.jp/public/support/mental_care/mc05.html)
(文責:竹内 恵美・吉田 沙蘭・加藤 雅志)
がん治療と妊娠の相談窓口
国立がん研究センター中央病院では、がん患者さんの妊孕性(にんようせい:妊娠や出産のしやすさ)に関する相談を受け付けています。がん治療を始める前に生殖医療を受けたい方や、妊孕性温存治療に関する一般的な知識が知りたい方など、もしお一人で悩んでいるようでしたら、ぜひご相談ください。
・がん医療と妊娠の相談窓口のご案内
(http://www.ncc.go.jp/jp/ncch/consultation/fertility.html)
(文責:竹内 恵美・吉田 沙蘭・加藤 雅志)