長崎県
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がん生殖 地方での取り組み,長崎(2014年以降)
・がん生殖医療に関するワーキンググループの立ち上げ
長崎におけるがん生殖医療における診療連携の円滑な運用を討議する場として,長崎大学病院がん診療センター内に診療科・職種横断的なワーキンググループ「がん診療センターがん生殖医療・妊孕性温存WG」を立ち上げて活動している。
・研修会等での啓発活動
2017年年1月11日
平成28年度第4回長崎県がん診療連携拠点病院研修会,長崎大学病院講義室 長崎市
「がんサバイバーのQOL:がん治療と生殖機能〜女性での妊孕性温存を中心に」
北島道夫
2017年10月7日 第17回長崎県放射線治療研究会,長崎大学病院第1会議室,長崎市
「がん治療が生殖機能に及ぼす影響と妊孕性温存:若年女性がん患者のQOL」
北島道夫
・地域内の学会における演題発表
2015年7月26日 第72回九州・沖縄生殖医学会、アクロス福岡、福岡市
「当科における医原性卵巣機能不全に対する妊孕性温存の現況」
村上直子、北島道夫、谷口 憲、井上統夫、平木宏一、カーン・カレク、金内優典、三浦清徳、増崎英明
2016年12月11日 第255回長崎産科婦人科学会・長崎県産婦人科医会学術集会、佐世保市医師会館、佐世保市
村上直子、北島道夫、谷口 憲、金内優典、三浦清徳、増﨑英明
2017年4月9日 第74回九州・沖縄生殖医学会、エルガーラホール、福岡市
「当科における乳がん患者に対する生殖医療の現況」
村上直子、北島道夫、谷口 憲、北島百合子、三浦清徳、増﨑英明
JSFP がん・生殖医療連携会議およびOncofertility Consortium JAPAN 2016 準備会議〈2016年7月30日〜31日〉
※クリックで演題がご覧いただけます。
『長崎県でのがん診療と生殖医療の提供体制とがん生殖医療の均てん化への問題点』長崎大学医学部 産婦人科 北島道夫先生
長崎大学におけるがん生殖医療への取り組み
長崎大学産婦人科では、悪性腫瘍に対する治療で将来の妊孕性が著しく低下してしまう可能性がある女性に対して、未受精卵凍結あるいは卵巣組織凍結を開始しています。
妊孕性温存には、実際に悪性疾患の治療を行う側と生殖医療を行う側との緊密な連携が重要であり、地域の医療提供者間のネットワークを作っていく必要があります。一方で、がん治療後の妊孕性やその温存のための治療法に関する知識や意識のレベルは個々の医療従事者により様々であり、若年者のがん治療に関わる医療従事者に対して、がん・生殖医療について周知・啓発を行うことが地域のネットワーク構築に先立って重要となります。
このような目的から、長崎大学産婦人科では、2014年7月22日に開催された第22回長崎障害者支援再生医療研究会において、日本がん・生殖医療研究会の代表で聖マリアンナ医科大学産婦人科の鈴木 直教授をお招きし、『がん・生殖医療の実践 −若年性がん患者に対する妊孕性温存の諸問題について』と題して特別講演を行っていただきました。本研究会は、長崎で再生医療の関わる医療者が診療科横断的に集まり、定期的に開催されているものです。当日は内科、外科、歯科など多くの領域から約80名の医療関係者に参加していただきました。がん治療が妊孕性に及ぼす影響についての最新知見からサルでの基礎研究まで、網羅的な鈴木教授の講演に、多くの参加者が熱心に聞き入っていました。講演後は、とくに実際のがん治療の関わっている外科系の先生方から多くの質問がありました。
今後は、長崎での診療科間ネットワークの構築、がん生殖医療に関する更なる周知啓発に努め、地域間での繋がりも作って行きたいと考えています。