広島県

日本がん・生殖学会のホームページでもご確認いただけます。


2017年3月1日、広島がん・生殖医療ネットワーク(Hiroshima Onco-Fertility NETwork: HOFNET)が設立されました。

 鈴木先生が全国に呼びかけられ、広島では広島大学産婦人科の工藤先生に声をかけられ、およそ4年前に工藤先生から私に広島のがん・生殖医療に携わるように声がかかりました。それからしばらくの時を経て、昨年(2016年)の夏に広島大学病院で若年がん患者の治療を行っている主な診療科主任教授(小児科:小林先生、産婦人科:工藤教授、血液内科:一戸先生、腫瘍外科:岡田先生、がん化学治療科:杉山教授、泌尿器科:松原教授、整形外科:安達教授)と県立広島病院長(木矢先生)に、広島県におけるがん・生殖医療ネットワークを組織化することを提案させてもらい、心強い賛同を得ることができました。広島大学病院のバックアップのもと、2016年12月19日に生殖医療施設の立ち上げ世話人会、2017年1月12日にがん拠点病院を中心としたがん医療と生殖医療施設を合わせた合同立ち上げ世話人会を開き、2017年3月1日をもってようやく広島がん・生殖医療ネットワークを正式に立ち上げることができました。2017年5月20には、「がん治療とQuality of Life 最新情報in Hiroshima」と題して、鈴木 直教授(聖マリアンナ医大)、鈴木 文則準教授(滋賀医大)をお招きし、第1回広島がん・生殖ネットワーク研究会を盛会裡に開催することができました。

※クリックで開催内容がご覧いただけます。
がん治療とQuality of Life 最新情報フォーラム in Hiroshima

※クリックで大きな画像が表示されます。
すべての医療従事者(health provider)が、すべての家族形成を望む若年がん患者さんのために

 がん・生殖医療は広範かつ奥が深く、一つの診療科や施設で完結することは不可能であるため、地域の組織化、ネットワーク化が非常に重要です。
 また、すべての医療従事者(health provider)、すなわち、医師、看護師、薬剤師、胚培養士、臨床検査技師、遺伝カウンセラー、心理カウンセラー、がん相談室の相談員等などすべての職種のスタッフが、がん・生殖医療の最低限の知識を持ち、若年がん患者さんの治療にあたる必要があります。また、この医療は大きな経済的負担を患者さんかけますので行政からの支援、さらに、この医療を多くの患者さんに知っていただくために報道機関のサポートも重要と考えています。
 家族を形成したいと願うすべての若年がん患者さんのために、広島がん・生殖医療ネットワーク(HOFNET)が少しでもお役にたつことを願っています。

JSFP がん・生殖医療連携会議およびOncofertility Consortium JAPAN 2016 準備会議〈2016年7月30日〜31日〉

※クリックで演題がご覧いただけます。
『がん生殖医療連携の現状 広島県』
県立広島病院 生殖医療科 原 鐵晃先生/広島大学病院 乳腺外科 角舎 学行先生


広島県でのとりくみ

 県立広島病院では以前より市内の医療施設と連携して、悪性腫瘍の治療に伴う妊孕性の低下に対応するため、配偶子・胚の凍結保存を行ってきました。さらに、広い範囲の悪性腫瘍の妊孕性温存に対応するため、2014年末からは卵巣凍結もできる体制をほぼ整えることができました。広島大学乳腺外科では、今年1月より臨床研究「薬物療法を要する妊娠可能年齢の乳癌患者を対象にした妊孕性温存支援に関する前向きコホート研究」が始まっています。これまでは、血液腫瘍、骨腫瘍、乳がん、睾丸腫瘍などの方々を治療する腫瘍専門医と生殖医療専門医とが個別に連携してこの取り組みを行ってきましたが、これからはより有機的な組織作りをするため、がん拠点病院・行政とも連携して広島県レベルでの診療科間ネットワークの構築、がん生殖医療に関する更なる周知啓発に努め、地域間での繋がりも作って行きたいと考えています。

 2015年5月30日には広島生殖医療研究会で特定非営利活動法人日本がん・生殖医療研究会(JSFP)の理事長である鈴木 直先生(聖マリアンナ医科大学産婦人科教授)をお招きして、世界的日本的な視野から妊孕性温存の現状をお話していただくことになりました。合わせて、県立広島病院生殖医療科での取り組みの一部と、広島大学乳腺外科での臨床研究の取り組みについての講演を予定しております。この会は広島がん・生殖医療研究会のプレキックオフミーティングとなることを期待して、下記の要領で行いますので関心を持たれた医療関係者の方は、気軽にご参加下さい。

2015年5月17日
県立広島病院 生殖医療科
広島生殖医療研究会 代表世話人
原 鐵晃

第7回広島生殖医療研究会
日時:平成 27年 5月 30日(土) 18:30~21:30
場所:ホテルグランヴィア広島 3階「悠久」 
   広島市南区松原町1番5号 TEL:082-262-1111

一般演題
18:30~18:35 県立広島病院における妊孕性温存および広島県の現状
         県立広島病院 生殖医療科 原 鐵晃
18:35~18:50 乳癌患者を対象にした妊孕性温存支援に関する取り組み
         広島大学原爆放射線医科学研究所 腫瘍外科 角舎 学行

特別講演
18:50~19:50 がんと生殖に関する諸問題 ~がん・生殖医療の実践に向けて~
         聖マリアンナ医科大学 産婦人科 教授 鈴木 直

*参加費 1000円
*講演後、意見交換会を行います。