「日本の「がん・生殖医療」発展のために」

がん治療と妊娠~がん治療後の将来を見据えて~

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JSFPシンポジウム

2017年シンポジウム

がんと生殖に関するシンポジウム2017
乳がん患者の妊娠・出産 ーエビデンスから実践へー

日 時:2017年3月5日(日)8:55〜17:00
場 所:サンケイプラザ4Fホール
世話人:大野 真司(がん研究会有明病院 乳腺センター長)
世話人:津川 浩一郎(聖マリアンナ医科大学 乳腺・内分泌科 教授)
世話人:清水 千佳子(国立がん研究センター中央病院 乳腺・腫瘍内科 外来医長)

がんと生殖に関するシンポジウム2017の報告

国立がん研究センター中央病院乳腺・腫瘍内科
清水 千佳子

「がん・生殖医療の目指すところは、担がん患者の専ら妊孕性温存にあるのではなく、子どものいない人生の選択を含め、子どもをもつことの趣意を見つめなおすことである」-シンポジウム冒頭の吉村泰典先生のお言葉に、会場の参加者の背筋がぴんと伸びたように感じました。乳がんは、国内では他のがん領域に先駆けてがん・生殖に関する診療の手引きが刊行され、現場でのがん・生殖医療の連携が進んでいる領域です。今回のがんと生殖に関するシンポジウム2017では、「乳がん患者の妊娠・出産~エビデンスから実践へ~」と題して、今、現場が抱えている葛藤に焦点を当て、より実践的な議論が深まることを期待してプログラムを用意いたしました。

 午前中は、乳癌治療と生殖医療の最新の知識を共有しました。がん・生殖医療では、とかく治療前の採卵・凍結の部分が注目されがちですが、胚移植に関するお話をうかがいながら、生殖医療は出産・子育てまでの一連のプロセスであることを再認識しました。静岡SOFNETを牽引されている望月修先生のご発表は、現場でのご経験に基づく、重要な問題提起をしていただき、午後の症例検討に向けてのよいイントロダクションとなりました。また、ランチョンセミナーでは乳癌治療の個別化ツールとして期待される多遺伝子アッセイ開発の最先端に触れるとともに、患者自身の背景や価値観に寄り添う意思決定支援、つまりアートとしての治療個別化についての重要性を確認しました。

 上智大学の浅見省吾先生による生命倫理の講義は、科学的な議論が中心であった午前中のセッションとは全く異なる視点を与えてくださいました。乳がん患者における生殖の問題は、自己決定権の尊重と、無危害・善行や児の福祉との対立として捉えられるが、「自己決定」「児の福祉」といった言葉そのものが非常に曖昧に使われている。倫理的な問題を考える際には、より問題を具体化して議論していくことが大切だと感じました。

 午後のケーススタディでは、医療従事者だけでなく、倫理の浅見先生、患者の桜井なおみさんにもご登壇いただき、治療の中止、HBOC症例の温存、胚移植、ハイリスク/再発例に対する適応という4つの症例を題材に議論いたしました。どの症例もこれが正しいという答えがあるわけではありませんが、今回、登壇いただいた先生方だけでなく、会場の方々からも貴重な発言をたくさんいただくことができました。時には意見が対立することもありましたが、当事者の方、異なる立場の医療従事者が、議論を避けるのではなく、同じ水平上で、それぞれの立場からの真摯な意見を交換できたのが最大の成果だったように思います。これを機会に院内や地域での多職種での対話が促進し、患者を中心とした風通しのよいがん医療の現場を醸成することを期待しています。

 シンポジウムを終えて、登壇された先生方、フロアから参加された方の熱気に満ちた議論を振り返りながら、乳がん患者のがん・生殖医療はようやくスタートラインに立ったところであると、新たな責任を感じています。

 日曜日早朝からの開催にも関わらず、大手町サンケイプラザ4Fホールが当日来場も含め360名の参加者で、ほぼ満席となりました。休憩時間もないタイトなスケジュールの中、ほとんどの方に最後までご参加くださいましたこと、有難く受けとめております。また、一緒に世話人をつとめてくださった大野先生、津川先生、良き友人であり、このプログラムの脇をしっかり固めてくださった渡邊知映先生、坂東裕子先生、片岡明美先生、そしてこの機会を与え、常に励ましてくださった鈴木直先生はじめがん・生殖医療学会の理事の先生方には心より感謝申し上げます。

※クリックで当日のプログラムPDFが表示されます。

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2016年シンポジウム

がんと生殖に関するシンポジウム2016
〜男性がんと生殖機能の温存を考える〜

日 時:2016年2月7日(日)8:55-17:00
場 所:都市センターホテル(3F コスモスホール)
世話人:岡田 弘(獨協医科大学越谷病院 泌尿器科/リプロダクションセンター)
世話人:大山 力(弘前大学大学院医学研究科 泌尿器科学)
世話人:吉田 淳(木場公園クリニック)

がんと生殖に関するシンポジウム2016の報告

獨協医科大学越谷病院リプロダクションセンター
慎 武、 宮田 あかね、 岡田 弘

 2016年2月7日, 東京都千代田区の都市センターホテルにて「がんと生殖に関するシンポジウム2016〜男性がんと生殖機能の温存を考える〜」が開催されました. ご参加いただきました皆様にはこの場をお借りして深謝致します.  本シンポジウムでは, これまでに取り上げられる機会の少なかった「男性がん」に焦点があてられ,男性がん患者での妊孕性温存に関して総合的な理解を深めるためのプログラム構成となりました.当日のプログラムは以下の通りでした.

※クリックで当日のプログラムPDFが表示されます。

 これらのセッションを通して,化学療法または放射線療法による精子形成能低下の機序についての理解を深めるとともに,男性がんの場合は外科的手術によって勃起不全や射精障害といった性機能障害をきたし術後妊孕能消失の原因となることを演者の先生方からご教授頂きました.また,性機能障害,精子形成能低下に対する種々の対策法に関してもご講演頂きました.男性の場合,精子凍結保存という確立された妊孕性温存手段がある一方で,妊孕性温存を目的とする精子凍結保存についての病院間連携を含めた社会的システムが確立されていないという問題点がございます.今後,Oncofertilityという分野がますます発展していく中で,精子凍結保存のネットワークを構築していく必要性がより一層高まると考えられました.一方で,まだ精子形成の始まっていない思春期前若年男児に対する妊孕性温存法の開発は急がねばならない大きな課題のひとつです.まだ研究段階と位置づけられております精巣凍結についてもご講演頂きました.パネルディスカッションでは,実際にがん治療を経て社会復帰されたがんサバイバーの方から非常に貴重な話を聞くことができました.

 当日は医師だけでなく看護師や胚培養士, 臨床心理士,患者支援団体の方々,がんサバイバーなど多岐にわたる職種からのご参加を頂き,早朝から夕方まで活発な議論が行われました.改めまして,「Oncofertility」という分野が多職種からのアプローチが必要であるということを認識することとなりました.また,今回のシンポジウムでは,婦人科のみならず腫瘍内科,血液内科,小児科,放射線科といった先生にもご参加頂くことができました.男性がんを治療する立場にある泌尿器科以外の先生に対し,男性がんでの妊孕性温存についての理解を深める場を提供することができ,有意義なシンポジウムとなりました 

 このようなシンポジウム形式での会は本会が最後となり,次回からは一般演題も含めた通常の学会様式となります.男性がんの妊孕性温存に関して改めて皆様とともに整理する機会ができて幸甚に存じます.最後になりましたが,運営にあたり多大なご支援を賜りました聖マリアンナ医科大学産婦人科学教室の皆様をはじめ,関係者の皆様に心より御礼申し上げます.

2015年シンポジウム

がんと生殖に関するシンポジウム2015
〜小児・若年がん患者さんの妊孕性温存について考える〜

日 時:2015年2月8日(日)9:00-16:05
場 所:ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター(グランフロント大阪 北館B2)
世話人:筒井 建紀( JCHO大阪病院 産婦人科)
世話人:井上 朋子( IVFなんばクリニック)
世話人:三善 陽子( 大阪大学大学院医学系研究科 小児科学)

がんと生殖に関するシンポジウム 2015の報告

シンポジウム世話人・三善 陽子
大阪大学大学院医学系研究科小児科学

 去る2015年2月8日、第3回目のJSFPシンポジウムとして、「がんと生殖に関するシンポジウム2015〜小児・若年がん患者さんの妊孕性温存について考える〜」が大阪にて開催されました。当日のプログラムは以下の通りでした。
 本課題について国内の第一線で活躍中の方々に、小児・若年がん患者さんの妊孕性に関する診療の現状や卵巣組織凍結や子宮移植など最新の妊孕性温存療法について講演していただきました。演者の職種は、小児腫瘍医、小児内分泌医、生殖医療医、産婦人科医、泌尿器科医など種々の専門領域の医師、看護師、法律の専門家、患者支援団体の代表者、サバイバーなど多岐にわたりました。早朝から夕方までびっしりと組まれたプログラムでしたが、どのセッションでも活発な質疑応答が行われ、会場は熱気に包まれました。総参加者数336名となり、会場は満席でした。この数字は、小児・若年がん患者さんの妊孕性とがん生殖医療に対する社会の関心の高さを物語っていると思います。
 参加者の職種・立場も多岐にわたり、小児腫瘍医、小児内分泌医、生殖医療医、婦人科腫瘍医、産科・婦人科医、看護師・助産師、心理士・カウンセラー、メディカルスタッフ以外に、泌尿器科医、小児外科医、血液内科医、整形外科医、消化器内科医、新生児科医、胚培養士、薬剤師、コーディネーター、法律家、弁護士、マスコミ関係者、学生などでした。また会場では複数のメディアによる取材が行われ、当日の夕方にテレビニュースで放映されたため、大きな反響を呼びました。
 小児がんの治療後に生じる晩期合併症への理解は徐々に深まりつつありますが、将来の妊孕性に対してはまだ目を向けられていないのが現状です。より多くの医療者において「がん・生殖医療(Oncofertility)」への関心を高めるために、生殖医療ネットワークを構築し、Oncofertilityに対する社会の理解を深めていくことが、喫緊の課題と考えられました。
 なお、本シンポジウムは、日本がん・生殖医療研究会と厚生労働科学研究費補助金(がん対策推進総合研究事業)「小児・若年がん長期生存者に対する妊孕性のエビデンスと生殖医療ネットワーク構築に関する研究」班(研究代表者:三善陽子)との共催で行われました。運営にあたり多大な御理解と御支援を賜りました、世話人の筒井建紀先生(JCHO大阪病院産婦人科)、井上朋子先生(IVFなんばクリニック)をはじめ、関係者の皆様にこの場をかりて御礼申し上げます。

※クリックで当日のプログラムPDFが表示されます。

2014年シンポジウム

がんと生殖に関するシンポジウム2014
ー血液疾患患者さんの妊孕性温存対策のこれからを考えるー

日時:2014年2月2日(日)10:00-16:25
場所:ベルサール飯田橋駅前ホールA・B
代表:神田善伸(自治医科大学附属さいたま医療センター血液科)
代表:高井 泰(埼玉医科大学総合医療センター産婦人科)
代表:青野文仁(加藤レディスクリニック/A-PART 日本支部)

がんと生殖に関するシンポジウム 2014を振り返って

 平成26年2月2日にベルサール飯田橋駅前ホールにおいて、特定非営利活動法人日本がん・生殖医療研究会(JSFP:Japan Society for Fertility Preservation)主催の『 がんと生殖に関するシンポジウム 2014 ~血液疾患患者さんの妊孕性温存対策のこれからを考える~』が開催されました。

 今回は血液疾患を主に対象とし、小児科を含めた原疾患を治療する立場からの意見、それに対し妊孕性温存療法を行う立場からの現状、注意点などについて検討されました。当日は約280名の列席を賜りました。研究会・シンポジウムを重ねる毎に参加者数も増加し、がん・生殖医療に対する関心の高さがうかがえます。また、本研究会では初めての試みとなる、医療関係者外の一般の方々にもご参加いただき、活発に意見の交換をしていただきました。血液疾患女性患者を対象に未受精卵子凍結保存の助成を行っている『こうのとりマリーン基金』の顧問:大谷貴子先生から自身の経験を交えてがん・生殖医療の課題について御講演をいただきました。
 本研究会を通して、がん・生殖医療は医師同士、コメディカル、そしてがん患者の良好な連携が重要であり、その上で家族を含めた当事者達にとって最も好ましいテーラーメイドな医療を提供することが必要になることが再認識されたかと思われます。今後も皆様のご参加を心よりお待ちしております。

アンケート結果

    はい いいえ 不明
1 受精卵(胚)凍結保存を実施している 55 17 1
2 受精卵(胚)は、婚姻関係になくとも事実婚で行っている 17 49 2
3 卵子凍結保存を実施している 32 40 1
4 卵子凍結保存は、既婚者でも本人が希望したら実施している 13 45 5
5 精子凍結保存を実施している 59 14 1
6 卵巣組織凍結を実施している 10 62 1
7 今後、卵巣組織凍結の導入を考えている 26 26 10
8 JSFPの連携を希望する 52 5 5

 

※クリックで当日のプログラムPDFが表示されます。

2013年シンポジウム

がんと生殖に関するシンポジウム2013
ー妊孕性温存の診療を考えるー

日時:2013年4月21日(日)10:00-17:30
場所:⼤⼿町ファーストスクエアカンファレンス
代表:鈴木 直(聖マリアンナ医科大学 産婦人科学 教授)
代表:落合和徳(東京慈恵会医科⼤学 産婦⼈科学教室 教授)
代表:福⽥ 護(聖マリアンナ医科⼤学 ブレスト&イメージング先端医療センター 院⻑)

がんと生殖に関するシンポジウム2013の報告

聖マリアンナ医科大学 産婦人科学
西島千絵

 去る2013年4月21日に、今回初の試みである「がんと生殖に関するシンポジウム2013-妊孕性温存の診療を考える-」が開催された。当日のプログラムをお示しする(敬称略)。

1.開会の辞:落合 和徳、石塚 文平、福田 護
2.がん・生殖医療の実践:鈴木 直
3.妊孕性温存療法の指針1-卵子凍結、胚凍結:高井 泰
4.妊孕性温存療法の指針2-卵巣組織凍結:高江 正道
5.乳腺腫瘍と生殖:津川 浩一郎
6.子宮頸癌に対する妊孕性温存療法-広汎性子宮頸部摘出術を中心に-:青木 大輔
7.泌尿器腫瘍と生殖:岡田 弘
8.血液腫瘍と生殖:神田 善伸
9.小児・思春期腫瘍と生殖:三善 陽子
10.乳腺腫瘍と生殖:清水 千佳子
11.周産期の立場から考えるがん・生殖医療:池田 智明
12.がん・生殖医療全国ネットワークの構築-岐阜モデル:古井 辰郎
13.がん・生殖医療における精神的サポートの構築:杉本 公平
14.がん・生殖医療と倫理:己斐 秀樹
15.閉会の辞:竹原 祐志

 当日は2月上旬程の寒さであったにも関わらず、総参加者数は234名に登り、産婦人科医、乳腺外科医にとどまらず、看護師や心理士、ソーシャルワーカー、薬剤師、弁護士など多岐にわたる職種による盛大なシンポジウムとなり、本邦におけるがん・生殖医療の現状および課題についての関心の高さがうかがえた。参加者からは、『がん患者における妊孕性温存の現状および取り組みについて知識を深めることができた』、『がん治療医と生殖医の医療連携の重要性を認識した』、などの声を聞くことができた。その一方で、『エビデンスが乏しい治療についてディスカッション方式で討議をしたい』、『癌種別の症例検討をしたい』、『医師だけではなく看護師や心理士の連携も必要だ』、『がん・生殖医療に関するコーディネーターの育成についても検討してほしい』など、今後のシンポジウムや団体の運営を行う上での貴重な意見も多数寄せられた。今回は、『がん・生殖医療』に関する本邦初のオープンなシンポジウムであり、今後の更に発展した『がん・生殖医療の将来』が垣間見えた会であった。また、本邦のがん・生殖医療研究会にとって大きな第一歩であると確信できた会でもあった。

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第2回 日本がん・生殖医療研究会

日時:2013年1月26日(土)10:00-18:00
場所:TKP 東京駅前会議室 カンファレスルーム1
発起人代表 :鈴木 直(聖マリアンナ医科大学 産婦人科学 教授)
発起人副代表:竹原祐志(加藤レディスクリニック副院長)

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2012年シンポジウム

第1回 日本がん・生殖医療研究会
特定非営利活動法人 日本がん・生殖医療研究会 (JSFP) 設立総会

日時:2012年11月3日(土・祝)10:00-17:00
場所:聖マリアンナ医科大学 教育棟5F 会議室1,2
代表世話人/設立発起人代表:鈴木直(聖マリアンナ医科大学 産婦人科学 教授)

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