「日本の「がん・生殖医療」発展のために」

がん治療と妊娠~がん治療後の将来を見据えて~

サイトマップ

一般の方・患者のみなさま

妊よう性の温存とは

がん診療の飛躍的進歩によってがんを克服した患者さんの治療後の生活の質(QOL=quality of life)にも目が向けられるようになってきています。若い患者さんに対するがん治療は、その内容によっては卵巣や精巣などの性腺機能不全をきたしたり、子宮・卵巣・精巣など生殖臓器の喪失により将来子供を持つ事が困難になる事(妊よう性の廃絶)があります。その結果、患者さんはがん治療後に長期にわたるQOLの低下に悩むことがあります。
医療者と患者さんにとって、病気を克服することが最大のゴールであるため、これまではがん治療によるこれらの問題点には目をつぶらざるを得ませんでした。
しかし最近では、医療技術の進歩やデータの蓄積によって一定の制限付きながら、がん治療後の妊よう性を温存するための治療法も数多く試みられるようになってきています。子宮がんや卵巣がんに対する子宮や卵巣を温存する手術、放射線治療から卵巣を保護する手術、さらには生殖補助技術の進歩による精子や卵子、受精卵の凍結保存などは広く普及するに至っています。
最近では卵巣を組織ごと凍結保存して、がん治療の終了後に再度体内に移植する技術も確立されつつあります。この方法は、まだ発展途上の技術ではありますが、海外では2004年から現在までに20名以上の出産例が報告されています。